口腔外科

当院では小さなお子様からご高齢の患者様まで、細心の注意のもとで抜歯治療を行っております。なかでも、特に皆さまにとって身近な抜歯治療は『親知らずの抜歯』でしょう。

親知らずとは、奥歯である6歳臼歯と12歳臼歯のさらに奥に生えてくる18歳臼歯を意味しています。親知らずが生えてくる20歳前後には、歯茎の被ったところに細菌が溜まって歯茎が腫れたり、横や斜めに生えてくるトラブルが起こりやすくなります。

親知らずがキレイに生えてきた場合は必ずしも抜歯する必要はありません。ただし、将来的にトラブルを引き起こす可能性のある親知らずは、早めに抜歯しておくことで、問題の原因から取り除いておくことが重要です。
ここでは親知らず抜歯の手順や重要なポイントについてご説明いたします。

ドライソケットになった場合の対処法

抜歯を行って1週間が経過したあとも激しい痛みが伴う場合は、ドライソケットになっている場合があります。ドライソケットとは、うがいなどによって血液のかたまりが流れてしまい、抜歯した穴にかさぶたが形成されず、骨が露出してしまっている状態を指します。ドライソケットになっている場合は、薬を飲んで経過を見守るか、麻酔をしてから意図的に出血させ、かさぶたを作りなおす処置を行います。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、ストレスや噛み合わせの異常などによって無意識に顎の筋肉が強く緊張し、歯や顎関節に過剰な負担をかける習慣です。

顎関節症

歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯のすり減りや破折、知覚過敏、顎関節の痛み、頭痛などを引き起こし、顎関節症の原因にもなります。顎関節症は、咀嚼筋や関節包、関節円板の障害などにより、口を開けにくい・痛い・音がするなどの症状が現れる疾患です。

スプリント療法(ナイトガード)

治療の基本は、顎関節や筋肉への負担を減らすことです。代表的なのがスプリント療法(ナイトガード)で、歯列全体を覆う装置を夜間装着し、歯や関節を保護しながら筋緊張を緩和します。硬質タイプが一般的で、強い歯ぎしりにも対応できます。

歯科鍼

歯科鍼は咬筋や側頭筋などに鍼刺激を与えて血流を促進し、筋肉のコリや痛みを和らげる方法です。薬を使わずに筋緊張を緩められるため、補助療法として有効です。

ニューロトキシン治療(A型ボツリヌス製剤)

近年注目されているのが、ニューロトキシン治療(A型ボツリヌス製剤注射)です。ボツリヌス毒素が神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑え、咬筋や側頭筋の収縮を一時的に抑制します。これにより、歯ぎしりや食いしばりの力が軽減し、顎の痛みや筋肥大も改善します。効果は約3~6か月持続し、定期的に繰り返すことで再発予防にもつながります。
これらの治療は単独でも効果がありますが、症状の原因や重症度に応じて、スプリント・鍼・ボツリヌス注射を組み合わせた包括的な治療が最も効果的とされています。

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