咬み合わせ治療

私たちが普段何気なく行っている些細なクセや習慣が、知らず知らずのあいだに歯や顎にダメージを与え、身体に様々な悪影響を与えていることがあります。
例えば、日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしり。通常、脳は歯や顎に負担をかけないように噛む力を制限していますが、日々のストレスなどによって食いしばりや歯ぎしりが生じると、固い食べ物を噛むときの約8倍の力が歯や顎に加わると言われています。
こうした習慣が継続されると、歯や顎へのダメージは次第に蓄積され、顎関節や咬み合わせに問題を引き起こします。「顎に違和感がある」「慢性的な頭痛や肩こりを抱えている」という方は、こちらでご説明する内容をぜひ参考にしてください。

悪い習慣が咬み合わせに悪影響をおよぼす

咬み合わせの悪化を招く4つの習慣

咬み合わせが悪化する原因の多くは、私たちが普段行う何気ない習慣によるものです。特に、下記のような習慣のある方は、普段から十分に注意して対策を行う必要があるでしょう。

1. ストレスなどによる歯ぎしり・食いしばり

極度のプレッシャーやストレスは無意識に口周りの筋肉を強張らせ、日中・睡眠中に食いしばりや歯ぎしりを引き起こします。こうした習慣が継続的に繰り返されると、歯に負担が生じて咬み合わせが悪化します。

2.姿勢の悪さ

バッグをいつも決まった方の肩に掛けている、決まった方の足を上にして足を組む、睡眠中にいつも同じ方向を向いて寝ているなどの癖のある方は要注意です。こうした姿勢が継続されると、身体が徐々に歪み、咬み合わせにも影響が現れる場合があります。

3.頬杖や噛み癖などの癖

あなたはテレビを見るとき、いつも決まった方向に向いて頬杖をつき、画面を見てはいないでしょうか?こうした癖は、顔の一部へ継続的に力が加わることで、骨が変形して咬み合わせを悪化させる危険性があります。また、食べ物を右の歯で噛むことが多い、などの噛み癖にも要注意です。

4.そのほか(不良補綴物など)

そのほか、咬み合わせを悪化させる要因の一つに『不良補綴物』があります。不良補綴物とは、過去に虫歯の治療などで処置を行った詰め物や被せ物が、歯にぴったりと合っていないことで起こる咬合不良です。
放置すると虫歯や歯周病の原因となり、ブラッシングが困難になることでお口の中で細菌が繁殖します。こうしたケースでは、不良状態を引き起こしている詰め物や被せ物を作り替える治療を行います。

咬み合わせの悪化がもたらす6つの悪影響

悪い習慣によって咬み合わせが悪化すると、次の6つのような悪影響が現れる場合があります。

虫歯になりやすい

咬み合わせが悪くなると、虫歯になりやすくなります。通常、歯は噛むときに歯と歯がぶつかり合うことで、自然にある程度の汚れを落とす特徴があります。しかし、咬み合わせが悪いと、歯の当たる面積が小さくなり、汚れが十分に落とされず、虫歯のリスクを高めます。

歯周病になりやすい

咬み合わせが悪いと、噛んでいる歯に負担がかかり、歯周病の可能性を高めます。また、人は30歳前後に身体の抵抗力が低下し始めるため、さらに歯周病リスクが高まる要因となります。

しっかりとした歯科治療が難しい

歯が凸凹している、もしくは斜めになっているなど、咬み合わせが悪い方はブラッシングが困難になると同時に、歯科治療も難しくなります。

顔に歪みが出やすくなる

片方の歯だけで噛むクセが習慣化して咬み合わせが悪くなると、顔の筋肉(表情筋や咀嚼筋)がバランスを崩し、顔の形が徐々に歪んできます。また、顔の筋肉の下にある骨は、筋肉の厚みによって変形するため、結果的に顎の形も歪んでしまう恐れがあります。

頭痛になりやすい

咬み合わせが悪いと、顎の関節から頭の横につながる筋肉(側頭筋)に負担がかかり、頭痛を誘発する場合があります。

肩こりを引き起こしやすい

また、噛む筋肉がバランスを崩すと、首や肩にかけて繋がっている広頸筋(こうけいきん)に負担がかかり、肩が凝りやすくなります。

咬み合わせの治療法

当院の咬み合わせ治療では、咬み合わせの悪化によって生じる様々な症状を軽減・改善するための治療を行います。咬み合わせが悪くなってしまった原因によって、治療方法も異なります。 まずは問診と検査によって原因を特定し、患者様1人ひとりに合った最善の治療プランを考えていきます。

・セルフケア

咬み合わせ悪化の原因が歯ぎしりや食いしばり、うつぶせ寝、頬杖、猫背といった日常的な習慣である場合は、普段の生活習慣を見直すセルフケアが治療の中心となります。
基本は「顎に負担をかけないこと」を意識してもらい、食いしばりや歯ぎしり、頬杖といったクセが出ないように注意していただきます。また、片方で噛む方は、両方の歯で均等に噛むように意識していただきます。
さらに、顎の筋肉の緊張をほぐし、関節まわりに加わった負担を解消するためのマッサージやストレッチ方法についてもご指導いたします。

・鎮痛剤・消炎剤の処方

顎関節への負担が大きく、開口時に痛みが生じたり、炎症が起きている場合は鎮痛剤や消炎剤を服用していただきます。慢性化した炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。

・スプリント矯正

シリコンやレジンでできたマウスピースを装着し、顎の正しい位置を身体に覚えさせることで、顎関節にかかる負担を減らし、咬み合わせを修復します。

・マウスピースによる治療

睡眠中の歯ぎしりによって歯が擦り減り、咬み合わせに影響が出ている場合は、これ以上歯が擦り減らないようにマウスピース(スリープスプリント)で保護する治療を行います。また、擦り減りが激しい方には、摩耗した部分を補填するために仮歯や矯正、セラミックなどを使って治療を行う場合があります。

・全顎治療

全顎治療とは、咬み合わせ以外にも、虫歯や歯周病、顎関節症など、あらゆる観点で懸念される疾患を発見し、それらの予防・改善を図ることでお口全体の健康状態を向上させる治療法です。
1つの歯、1つの症状だけを見てその場しのぎの治療を行っていては、未然に防げるはずだった症状に対しても見逃してしまうことになります。
当院では、患者様の負担を少しでも軽減し、長くお口の健康状態を維持していただくためにも、お口全体の健康を重視した全顎治療を提供しています。

・咬合精密検査

当院では咬み合わせの良し悪しを目視で確認するのではなく、K7と呼ばれる専用機器を使用して、コンピューターテクノロジーを活用した精密検査を行っています。
これにより、筋肉や顎の動き、正しい顎の位置を客観的な数値として計測することができ、より正確な治療を実現します。検査にはフェイスボウと呼ばれる装置やレントゲンを並行的に活用していきます。

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