マタニティー歯科
マタニティー歯科とは、多くの妊婦さんが抱える可能性のあるお口の問題を解決し、妊婦さんとお腹の中の赤ちゃんの健康を守るための歯科診療です。
妊婦さんは女性ホルモンなどの働きにより、お口の中の健康状態や体調、気持ちなどが不安定になりやすい傾向にあります。もしも健康状態が悪化した場合には、胎児に悪影響を与えるケースも十分に考えられるため、細心の注意を払って健康管理を行うことが重要です。
妊婦さんの抱えるお口の変化と問題とは？
一般的に、女性の方は妊娠期に下記のような変化を経験しやすくなります。
- エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが体内で豊富に生成されます。エストロゲンは妊娠期に重要な役割を果たすホルモンですが、同時に歯周病菌を増殖させ、歯周組織を侵食する作用もあります。こうした作用によって歯肉炎になると、低体重児早産のリスクが約7倍に高まることが分かっています。
- つわりによって、十分なブラッシングが困難になる場合があります。これにより、虫歯や妊娠性エプーリス（歯茎から出血する症状）を引き起こす可能性が高まります。
- 気持ちや体調の変化により、歯科治療を受けたくても受けられないといった患者様も多くいらっしゃいます。
当院では上記のような妊婦さんの問題を解決し、患者様とお腹の中の赤ちゃんの健康を守っていくために、妊婦さんへ予防診療を行っています。
妊娠中の歯科治療が受けられる時期とは？
妊娠中の患者様は、妊娠中期（5～8ヶ月）であれば問題なく歯科治療を受けていただくことができます。妊娠初期と妊娠後期の治療は、基本的に応急処置にとどめます。
適切な歯科処置をご提供するためにも、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方は、必ず治療前に当院のスタッフへ申告くださいますようにご協力をお願いします。また、母子手帳などがあれば、当院スタッフが患者様の健康状態を明確に把握し、スムーズに診療を行うことができます。お持ちの方は、ぜひご持参ください。
妊娠中にお口の中をケアする方法
妊娠中は心身の変化からお口の中が不衛生な状態になりやすくなります。そこで、妊娠期に経験しやすいトラブルと対処法についてご紹介いたします。
妊娠中の女性が経験しやすいトラブルには、主に下記の2つあります。
１．歯ブラシが気持ち悪くて、口の中がネバネバする
つわりなどにより歯ブラシが気持ち悪いという方は、歯ブラシのヘッド（先端部分）を小さいものへと変えてみましょう。それでも磨きにくい場合は、マウスウォッシュなどを使って口の中をゆすぐだけでも口内衛生の維持に役立ちます。
２．少しずつ何度も食事を取るため、虫歯にならないか心配
食後にキシリトールを含んだガムを噛むことで、唾液が分泌されて虫歯リスクを減少させることができます。キシリトールの成分は胎児の健康な歯の生成にも役立つと言われています。